妊娠と避妊編
妊娠と避妊について
これこそ解っているようでいて、意外に間違った知識を持っている人が多いみたい。
たとえば生理後すぐは安全日とか、コンドームは射精する前に付ければ大丈夫とか、コーラで洗浄すれば妊娠しないとか(笑)。
すべて危険です。ここでは良い妊娠をしたい方、避妊したい方ともに、正しい知識を理解していただきたいと思います。
それでは、まず安全日について考えてみます。
妊娠とはおよそ月1回ごとに排卵された卵子に膣内に射精された精子が受精して起こるわけですから、受胎可能な時期は排卵後、約2日間です。
だから妊娠を避けるには排卵日がいつかということが判ればいいのです。
はっきりしているのは月経日の2週間前だということです。
これは月経周期の個人差に関係なくすべての女性に一定しています。
なんだ簡単にわかるではないかと言われそうですが、前回の月経ではなく、次に来る月経日ですから、予測が難しいことなんです。
女性の中には28日型とか30日型とか周期が正確に決まっている人もいますが、ほとんどの人は4〜5日のずれがあるのが通常です。又、不定期で1回抜けたり、10日も早く来ることもあります。
こうなってくると予測は困難で、周期を信じると思わぬハプニングで妊娠してしまうことがあるわけです。
確実に排卵日を知るには基礎体温を計ることが必要です。
基礎体温というのは女性の体は月経に合わせて、25日から30日くらいの周期で変化してます。
排卵の後には子宮の中を栄養に富んだ状態に保つために「黄体ホルモン」というホルモンが分泌されます。
基礎体温はこの黄体ホルモンがたくさん分泌されているときは高く、分泌しないときは低くなります。
したがって月経が始まってから排卵日までが「低温期」、排卵から次の月経までが「高温期」となります。
そして、高温期の上がりはじめの日が排卵日となります。 つまり、基礎体温をつけると、排卵日が自分でわかるようになるというわけです。
卵子が受精可能な日数は排卵後1〜2日とされ、3日目以降は不妊期(安全日)となります。従って排卵の3日目以降〜生理日(生理が始まって4日目まで位)までは妊娠しません。
ただ基礎体温は温度差があるといっても何度もの差があるわけでなく、微妙な温度差ですので、その日のコンディションにも左右されます。寝不足、お酒の飲み過ぎ、外気温、体調、ストレスによっても、まちまちになるなるという欠点もあります。
一定条件下で何ヶ月も続けて記録してはじめて正確な自分の基礎体温が判断できる位のものです。
良く間違えるのに、生理が終わったすぐは安全日だと勘違いする人がいますが、月経のサイクルを知ると判ると思いますが、月経が始まるとすぐに次の排卵の準備にかかりますから、月経が終わる頃にはもうすでに排卵が始まっているという可能性もありますから要注意です。
良く聞かれるのに生理が終わってからどのくらいで排卵期が来るのかっていうのがありますが、それはホントに人によってまちまちです。それこそ自分の生理周期をまず把握する必要があります。
では安全日について、ちょっと計算してみましょう。
仮に28日型の人で月によって、前後1週間の周期ずれがあるとします。この場合、最短の月経周期は(28日−7日)で21日となります。
仮に今月1日が生理日としますと次の生理日予想は最短で今月22日です。
排卵は生理日の2週間前ですから今月8日には排卵が起きることとなります。
そして精子の膣内での生存日数は3〜5日程度といわれており、これで考えますと生理中の4日に性交すればもう妊娠する可能性があるといえます。
では、反対に遅れた場合はどうでしょうか。
今月1日に生理日として、(28日+7日)で35日後の翌月6日(今月が30日とする)に次回生理日が来ます。
排卵はその2週間前、今月22日です。
卵子は排卵後2日間ぐらいは受精可能ですので23日までの性交は危険です。
つまり、周期の前後のずれを計算に入れますと、今回の生理日から数えて4日目〜23日目までは妊娠の可能性がある日と考えられます。
上記からお解りのように、1が月の内ほとんどの日にちが妊娠の可能性がある日となり、安易な安全日宣言は無謀と言えるようです。とくに周期の不安定な女性は大いに注意すべきです。
やっぱり確実に避妊するには、コンドーム等の避妊具を利用するのが一番のようです。
妊娠したい人は反対にこの計算を利用すればよく、排卵予測日の前日、当日に性交を行えば妊娠の可能性が高くなります。
もっと正確に知るには、基礎体温を付けることをお勧めします。
妊娠に関連して、男女の産み分けが巷でよく話題になります。産み分けに関しては私にも持論がありますが、またの機会に取り上げたいと思っています。
避妊方法のいろいろ
避妊をする方法はいろんなやり方があります。順をおって検証していきます。
1.オギノ式 (失敗率20〜30%)
オギノ式とは1924年に産婦人科の荻野博士が発表した学説に基づく避妊法で、上記で計算したように月経周期を基にして安全日を算出する方法です。全ての避妊方法の中で最も簡単な方法ですが、最も危険な方法でもあり、避妊効果はその他の方法ほど効果的ではありません。
この方法が使えるのは、月経周期が安定している人に限られ、安全日を素人判断せずに、基礎体温計を併用することが望ましいです。
ちなみに オギノ式に基づいて排卵日を計算してくれるフリーソフトがありますのでご参考までに・・・
オギノ3.0 http://www.vector.co.jp/soft/dos/home/se003278.html
2.基礎体温法(失敗率10〜20%)
日本で多くの女性に使われている、この方法は排卵期に体温が0.2℃〜0.4℃上がる原理に基づいています。
弱点は、一定の条件下で計測することが必要で、そのため毎日起床前に体温を計らなければなりません。又、睡眠不足や精神状態、病気で熱を出したときなども体温が変わりあまりあてにできません。
基本的にこの方法は、避妊ではなく、妊娠するために排卵日を知ることに利用するのが良いと思います。
3.コンドーム(失敗率2〜15%)
避妊方法で一番ポピュラーな避妊方法です。コンドームは正しい使い方に伴えば確率の高い避妊法ですが失敗率にあるように、かなり幅があるのは使用方法に問題のある人があるからです。そして何よりエイズなどの性感染症も防止できることが大きなメリットです。
通常のコンドームは厚さ0.02〜0.05 ミリのラテックス(天然ゴム)で作られた避妊具です。男性の性器にかぶせて精子が膣内に出ることを防止します。
正しく使うための注意点は
●コンドームは絶対にペニスを膣に入れる前に付けることです。はじめは生で入れて、射精時につけるというのは厳禁です。精子はカウパー腺液にも僅かながら含まれますし、射精前にも少し漏れ出すことがあり妊娠の可能性があるからです。又、途中で付けては性感染予防には何にも役立ちません。
●射精後ペニスが萎縮する前に、手でコンドームを掴んで膣から出し、処分することです。いつまでも膣内に挿入したままでいますと、漏れだしたり、ペニスを抜く時膣内に取り残してしまうことがありますので注意が必要です。
●意外と盲点なのは、コンドーム使用後の処理時に指に着いた精子をそのままにして、指を膣内に挿入することがありますが、妊娠の危険があります。手、指は綺麗に洗って下さい。
●コンドームを二枚重ねて使用しないこと。早漏防止のためか、あるいは二枚重ねたほうが破れにくいと考えてのことですが、これは逆です。重ねることでゴムどおしが摩擦し、破れます。
●爪などで傷つけないこと。通常コンドームは風船の様に大きく伸ばしても破れない強い物ですが、傷には弱い性質を持っています。気をつけて扱いましょう。
●ラブホテルに置いてあるコンドームには注意。いたずらでピンなどて穴をあけられていることがあります。できれば持参した方が安全でしょう。
●これは、注意点というよりテクニックの方ですが、コンドームを付けるために性行為を中断する時があります。しかし女性にとってはムードの高まりが中断され、醒めてしまうことがあります。男性たるもの、女性に気づかれない内に装着するく゜らいのテクニックは身に付けるべきです。まあ、これは練習しかないのですが、片手で女性を愛撫し、口でキスをしながら、もう一方の手でコンドームをつけられれば、たいていの女性は気が付きませんね。女性がフェラチオしながら付けてあげるのも良いことです。
4.女性用コンドーム(失敗率2〜10%)
商品名は「マイフェミー」といい花王薬品から発売されています。女性の膣に入れる「逆コンドーム」です。女性用コンドームは男性用コンドームより大きく、ペニスが勃起する前にも入れられます。
男性に避妊の協力が得られない場合に、女性の意志で使用でき、避妊効果、性病予防効果があります。
使用方法はなれれば簡単にできます。難点は膣入り口のゴムが大きく膣口をおおうため、格好がいまいち
なことです。尚、安全性及び性感染症を防ぐ機能は男性用コンドームとほぼ同じだそうです。
一度試されてはいかがでしょうか。
5.殺精子剤、フイルム(失敗率20%)
この方法には「フイルムタイプ」「錠剤」「ゼリータイプ」の3つがありますが、現在はフイルムが一般的です。
殺精子フイルム剤としては商品名『マイルーラ』がこのタイプです。
これは溶けやすいフイルムに殺精子剤が塗ってあり、セックスのちょっと前に膣の中に入れておいて、男性の射精時に膣内に入ってきた精子を殺して、妊娠を回避するというものです。
この商品は男性に気ずかれずに手軽に使えるし、男性がコンドームをつけるのをいやがる場合に、女性にとつて便利ですが、膣に入れた薬が効きはじめる時間に個人差があるので、正しく使うのがけっこう難しいです。 本来はコンドームと併用してより確実な避妊効果をあげるのが、良い方法です。
使用方法はメーカーによると以下のようになります。
使うタイミングは、ペニスを入れる5分〜7分前。
半透明の、テレカよりちょっと小さいぐらいの、薄いフィルムです。このタイプは特に溶けやすく、パッケージから出すときに指が濡れてたりすると、もうベタベタ溶けて指にくっついちゃうので、要注意。使う前に、こっそりシーツで拭いたりしちゃえ。
フィルムを縦に三回ぐらい折り畳んで、指に挟みます。そのまま膣に突っ込んで、挿入。常日頃、じぶんの性器と親しんでないと(^^;、こーゆうところで戸惑うぞ。)
指にフィルムを挟んだまま、ずるずると奥まで入れていきます。膣の突き当たりの、子宮の入り口まで持っていければベストなんだけど、膣の奥行きより指のほうが短い場合は、中指でどんどん押し込んでいかないと届きません。
やっと突き当たりまで押し込んだら、静かに5〜7分ほど待ちます。まあ静かにしてるなぞ無理でしょうが。(くす)。あんまり派手に動き回ると、溶けはじめた殺精子フィルムが流れ出てきちゃうんですよ。うつ伏せとか立ったりとかはしないほうがいいです。
この待ち時間は薬が溶けるまでの時間なわけですが、個人差があって、『濡れやすい』ヒトは比較的早く溶けるみたい。
時間が過ぎたら、もう安心して本番に突入しましょう。有効時間は約1時間。射精がそれより遅れるようだったら、もう一枚追加してください。
また、フィルムに限らず殺精子剤を使用する場合は、あまりハデな体位はとらないほうがいいようです。さっきも述べたように、膣口から流れ出てきちゃうと困るから。
あとひとつ要注意は、クンニリングスする時のこと。フィルムが膣口のまわりにくっついたところをナメちゃうと、すごく苦いらしいんです。男の人は気を付けて。
錠剤とゼリータイプは最近は一般的でないので省略します。
5.ベッサリー(失敗率2%〜20%)
ぺッサリーはコンドームより厚みのある天然ゴムで作られたキャップです。膣に入れて使います。常に殺精子剤(クリーム及びゼリー状)を付けてから性行為前に膣の奥に設置し、精子が子宮に入れなくします。適切な位置は子宮頸部直前です。人によって大きさが異なるので、適用のサイズには産婦人科での診断が欠かせず、正しい入れ方又は取り外し方についても指示が必要です。正しい入れ方により成功率が変わります。上手に入れれば、そして殺精子剤を使用すれば、避妊率は高くほぼ確実な避妊ができますが、装着の下手な人の場合には80%程度しか期待できません。ぺッサリーは性行為後にも、最低6時間付けておかないといけません。
利用にあたっては産婦人科の医師に相談して下さい。
6.低容量ピル(失敗率 用法を守った場合ほぼ0%)
ピルは女性自身でできるほぼ完全な避妊方法です。しかし毎日欠かさず飲まないといけません。以前は体重増加や頭痛とか、血栓症なんて副作用の恐れもあって、ピルの服用が禁止されていましたが、低容量ピルの出現によって使用が認められ、副作用も最小限に抑えられるようになりました。医師の指示のもとで正しく服用すれば安全確実な避妊方法といえます。
7.性交後避妊(失敗率2〜5%)
「後のみピル」といわれ、避妊が失敗したか、妊娠したと思った時に性行為後72時間以内に飲むものです。避妊用ピルと似たようなホルモンの働きにより、受精卵の着床が防止され、妊娠が起こりません。
こう書くと、失敗したら飲めば良いと思われますが、「後のみピル」は副作用がある場合が多く、吐き気及び嘔吐の起こる場合があります。また避妊用ピルと似たようなリスクもあります
あくまでも、緊急避難的なものと考えていただきたいとおもいます。医者の指示を仰ぐことが必要です。
8.男性、女性用不妊手術
女性用の不妊手術は卵管を切るか又は結紮(ケッサツ)し、卵子が卵巣から子宮に運ばれなくする方法です。完全な避妊方法なので、永久に妊娠することが不可能になります。
今後絶対に妊娠したくない女性にしか適していません。
男性の不妊手術は精管を切除する方法で俗に「パイプカット」といいます。
精管切除は手術で精管を切ることにより睾丸からの精子の流れを止めてしまいます。これにより精液の中に精子がなくなり射精が起こるが、妊娠はさせられなくなります。但し精子が無いだけでその他の機能は変わりませんのでもちろん性交は今まで通り行えます。勃起力の低下もありません。ただ、後遺症としてホルモンの生産の異常が起こる場合もないとは言えず、医者に相談して下さい。また前立腺癌との関係が今研究中です。その他、わずかですが、精管が自然に接着し、精子が再び流れる可能性もありえます。
精管切除は再生手術がむずかしく、本当に子ともがもう一生欲しくないという人にしか適していないと思います。
9.IUD(子宮内避妊用具)
この用具は文字Tの形をするプラスチック製品で、含まれている金属(銅)及びホルモンの働きにより、受精卵の着床を防止しています。IUDは子宮内に入れるため、産婦人科での手術が必要です。
避妊率は非常に高いのですが、子宮に入れるので様々なリスクがあります。「軽い副作用」は性器出血、痛み、月経異常、けいれんなどです。それ以上に非常に危険なリスクは、卵管感染の可能性により子宮外妊娠或は不妊症です。未妊娠の若い女性にはあまり適していないと思います。
又、最近新しいIUDが話題になっています。これは従来の子宮内器具と違って、小さなプラスティック製カプセルからホルモンを放出し、5年間に渡って避妊が可能になります。子宮内でホルモンを放出しているので、経口避妊薬のようにホルモンが体の全体に回る悪い効果はなさそうです。
今後、利用率が高まると思われます。
番外.膣外射精(失敗率 20%〜100%!!)
「外に出すから大丈夫」と顔面発射。ポルノビデオの見すぎ?で男性がよくやりたがりますが、女性にとってはたまったもんじゃない。顔面発射はほとんどの女性が嫌やがります。
それよりも、膣外射精は失敗の元です。コンドームの欄でも書きましたが、精液は射精前にも漏れ出すことがありますし、射精時に抜くタイミングが一瞬遅れることも多く、危険極まりないやり方です。
妊娠したく(させたく)ないのなら絶対にやめるべきです。
妊娠したかどうかを手っ取り早く調べる方法に、『妊娠検査薬』があります。
ちょっと体温計に似た、細長いパッケージで『チェックワン』『ドゥテスト』などの商品名で出ています。
使い方はどれもだいたい一緒で、妊娠すると尿中に含まれるHCGというホルモンを感知して、妊娠を判定します。ペン型のスティックになっていて、キャップを開けた中にある発砲スチロールみたいところにおしっこをかける。3分ほどたつと妊娠している場合は、判定窓に丸印が浮き出ます。
気軽に自分で判定できるのでたいへん便利ですが、注意することは、月経予定日から1週間以上経過してから使うこと。早すぎると、正しい判定ができません。
又、結果は100%信用できるというものではありませんので、最終的には産婦人科でのきちんとした受診が必要です。
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